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企業成長に伴い必ず必要となってくる『経理』。
「簿記2級取りました」、「簿記1級勉強中です」
転職活動をされている方からそのような話をよく耳にします。また「資格を持っていればいいの?」そんな質問も良く受けます。実際に、簿記の知識・税務の知識などを得るべく資格の勉強をする事はとても素晴らしい事。ただ、実際の現場の経理は知識と違う事も。だから、企業が採用をする際には、資格より経験!という事も多く、知識と現場の経験は両方必要になってきます。
では、実際の現場の経理はどうなっているのでしょうか?
この疑問に、大手企業からベンチャー企業など複数の企業の現場を見てきた経理マンが、こちらのコラムでお答えします。是非、経理の現場感と生の声を感じてください。
- 【第1回】そもそも経理財務部門は何をやるべきなの?
- 【第2回】経理の日常業務はどういう仕事?何が大変なの?
- 【第3回】経理は帳簿・試算表を作るまでに何が大変なの?
- 【第4回】試算表だけで会社の「本当の健康状態」って分かるもの?
- 【第5回】「決算を締める」ってどういうこと?
- 【第6回】 決算数値の落としどころ
- 【第7回】 資金予測とはどのような業務?
- 【第8回】 資金の動きを適正化する為には?
- 【第9回】 「数字を合わせる」って?経理財務の責任管轄?
同じ「経理・財務」という職種カテゴリーでも会社によっては
「これくらいはできるよね?」という範囲は違ってきます。
ではスタンダードとして解釈すべき範囲はどのようなものでしょうか?
まず基本論として『組織における「ヒト・モノ・カネ」の記録化』と言えます。
という事項でしょうか。当然この他にも山ほどありますが。
総じて<過去の記録業務>とも言え、
一方で広い意味では「経営管理」を略したもので、経営に関するすべてを含みます。
「公共料金等の口座振替手続き」「外国為替相場が関わる外貨現金との両替業務(外貨現金の直接輸送があることが前提)や、外貨預金に関わる業務(国際間の貸借関係を必ずしも前提としない)」が挙げられます。
なお、上記「経理」「財務」区分の重要性については各企業の
1. 「上場or非上場」というステージの違い
2. 採用できる管理部門の人員数の違い
3. 売上高・原価&販管費等の金額や請求書取扱量等の「社外取引ボリューム」の違い
等によって解釈の仕方が異なっています。
ただ、「伝票を書く人が振込業務はしない。なぜなら二重チェックが必要だから」というように、一般的には『できることなら経理担当と財務(出納)担当は分けた方が良い』となりますが、中小・ベンチャー企業においては人員数の理由から、そうも言っていられず一人に任せられるというケースもよく見受けられます。
そのような企業間によるコア業務範囲の差はありますが、
会社全体で見た場合、
『経理財務は自己判断によって作業を行うのではなく、取引部門(担当者)からの依頼を受けて手続きを行う』という基本線は守られなければなりません。
理由は「内部牽制」です。
つまり一人(一部門)の判断により会社のお金が流れることは、恣意性が介在する危険性を伴い組織運営に支障をきたすからです。
よって会社規模を問わず、社内に稟議制度(「ヒト・モノ・カネ」に関するルール)があって、それに基づいて経理財務業務を動かすことが基本になる、と言えます。
ここまでが今回の基本論となります。
では、経理の日常業務はどういう仕事?何が大変なの?
この事については、次回に述べさせて頂きます。
よく営業職や技術職の方達から
等々、あまり明るくないイメージで語られてしまう事があります。
確かにそういう一面もありますが。
では、いわゆる日常業務(月次・年次決算以外)にはどのようなタスクがあり、 何が大変なのでしょうか?
まず日常業務として一般的に定義付けられているタスクを列挙します。
取引先から送付された請求書や得意先に送付した請求書(控)についての金額や内容チェック
伝票起票は各担当部門が行う場合も多いが仕訳作業は経理部門特有のタスクであり簿記知識が必要。また取引内容を表す「摘要の表現力」が重要となる
「使っちゃったから御支払してよ」をOKするのではなく、「この請求書は"社内稟議で使う事を許可された案件なのか?"」を確認する行為が重要。ただ、社内稟議体制ができるまでは「すべて社長承認」という状態も見受けられる事もある。
会計仕訳後の「総勘定元帳」や「補助元帳」にて正しい科目の元帳に転記されているか等を確認し、仕訳誤りがあれば修正を行う。
会社の実態やあるべき管理体制に合った会計帳票(支払伝票、個人経費精算書、仮払申請書等)の書式や作成要綱、全ての社員が正しく使いこなせるためのルール作りに加え、社内へのレクチャーを行い日常の運用管理を行う
得意先、取引(支払い)先、部門、案件(製造番号)、人事、等々
入金確認、振込業務(個別・月末総合)、銀行窓口への税金納付、記帳業務
支給だけでなく未精算チェックや担当者への督促業務が重要。
日繰り表(直近か月間の現預金残高推移を予測)、
入出金予定管理、未入金に対する滞留チェック
ただし、上記はあくまでも「業種を問わず一般的にスタンダードとされているタスク」と考えます。では、このお仕事を行っていくうえで何が大変なのか?
もちろん、個々のタスクをこなす上で
が重要になってくることは間違いありません。
これらは「自分の手でタスクをこなすための必要要素」です。
「社内を動かす調整力や仕組みを作る技量」の重要性です。
第1回目では、
『経理財務は自己判断によって作業を行うのではなく、取引部門(担当者)からの依頼を受けて手続きを行う』と述べました。実はここが最大の難関かもしれません。
言い換えると「取引部門(担当者)から【所定期間内に】【所定要件を満たした】帳票や書類を提出して頂くこと」が経理財務業務の精度を左右します。
つまり「営業が伝票や請求書を出さないから仕訳が出来ない」では経理マンとしては評価されません。
そうなるとテーマになるのは「社内の仕組みつくり」になってきます。
一言で言ってしまえば簡単に見えますが言い換えれば「人の動かし方」の問題なので、
ただルールを作って説明すればすべてが上手く行くかと言うと、
そうではない結果も多々あります。
よって第2回のエンディングとしては
『経理財務業務の意外に知られていない大変さは
【数値管理のための社内の仕組み】を作り、
正しい結果を残すための【人の動かし方】である」というところでしょうか。
第3回では、この大変さが顕著に表れ成否を左右する
「経理は帳簿・試算表を作るまでに何が大変なのか?」について述べたいと思います。
例えば営業部門や技術・制作部門の方から
「なんで経理財務って月末だけではなく月初も忙しいの?」って聞かれて
カチンときた事はありませんか(笑)?
月末の多忙さは、
「入金や支払いが沢山あるから」とイメージしやすいのですが、
経理財務部門の人間からすれば「それだけじゃない!!」と言いたいところですね。
私も何度も経験しています。
月初時期(第1営業日〜第7(〜10)営業日)の忙しさの本質的理由はなかなか理解して頂けません。
「月次決算」という事は分かっているようですが、
実際に、月次決算では「何をどのように行うのか?」ということを
理解していただくことは結構難しかったりします。
月次決算のゴールは、一般的には「試算表・帳簿を作る」事とされています。
本当はこの後に大事なタスクがあって、そのことが経営判断を左右するのですが、
それについては第4回目に述べます。
では「試算表・帳簿を作る」までの重要ポイントは何でしょうか?
思いつくところを挙げますと
a.売上計上:請求書発行漏れがないか?請求書(控)は全部経理に集約されているか?
→営業会議等で発信される営業見込、受注案件データ等と会計上の売上データ
との突き合わせ
b.費用計上:支払伝票(請求書のみの場合もあり)、各種精算書が提出されているか?
→営業会議等で発信される「案件別原価」情報と会計上の原価データとの集計
加え適正残高を求める
→基幹数値との照合及び差異調査を行い場合によっては関係部門と調整
※基幹数値については別項にて述べます。
※減価償却費(月例予定額)や通過勘定(仮払金・前払費用等)費用化等、
毎月の「月次決算調整仕訳」の漏れはないか?
といったところでしょうか。
この中で月次決算の中で最初に待ち構えている関門は「計上を漏れなく行うこと」です。
「費用計上しなきゃならないから業者からの請求書を送ってもらって!」というお願いを各部門にされることがあると思います。
簡単に言えば「計上」とは
○:サービスや商品を納めた(納められた)行為の報告
×:サービスや商品代を入金(支払い)したという報告
となり、「現預金」授受が基準ではなく、「行為」が基準であることがポイントです。
これは
いくら稼いで・いくら使った”のか?」を示すフローの集計であること
ことを各企業に求めています
このような背景があるため、適正な月次決算を行う為に、
「月初の所定日までに取引先からの請求書を集めて早く支払伝票を作って、部長に印鑑貰って経理に持ってきなさーい!」となるのです。
ちなみに先ほど述べた「行為の報告」と言う点では、本来請求書ではなく「納品書」が正しいのかもしれませんが、実際には (1) 金額が明記されない (2) サービス内容によっては発行されないという難点があるため、金額が明記され、納品月付けにて発行される「請求書」をもって、計上するための証憑として採用することが一般的となっています。
という事で、
経理は帳簿・試算表を作るまでに何が大変なのか?という疑問については、
“関係各所の協力が必要”と言う点で簡単ではないこと
→計上の精度が月次決算の成否を左右する。
この点を申しあげておきます。
そうなると今度は「組織の中の仕組み化」が必要になってきますが、
そのお話は追々ということにさせて貰います。
いきなりですが、私は経験上「経理財務=経営管理」という解釈をしております。
よって、経営管理という言葉を用いる以上、「ヒト・モノ・カネ」の過去記録を把握及び分析し、その事実を「経理を専門としない方々にも」分かりやすくガラス張りにすることが大前提となります。
第1回コラムの中で経理の仕事として「試算表作成」を挙げました。
試算表とは「決算を確定する前に、仕訳帳から総勘定元帳の各勘定口座への転記が正確に行われているかどうかを検証するために、複式簿記の前提である貸借平均の原理を利用して作成する集計表」という事になりますが、実際の現場を見ていると、経営陣に「これで経営状態を把握してくださいね」というように渡されていることが多いのが実情です。
あとは、経営陣に対して売上・原価等に関する詳細なデータを渡すくらいでしょうか。
私が経理を20年やって来ての率直な感想としては、「経理を専門としない方々」にとって試算表だけで「どこまで手に取るようにわかるか?」ということです。
現場に目を移すと、特に中小・ベンチャー企業の経理財務部門においては、
経営者に対して「数少ない資料の数でダイレクトにより分かりやすく明確化する」ことがミッションとなります。
そうなると会計ソフトから出てくる試算表だけで足りるのでしょうか?
今までの経験上、答えは『否』です。これだけで経営者は「本当の健康状態」は判断できません。
そこで是非取り組んで頂きたいタスクとしては「管理会計」になります。
管理会計について導入したいと思われている企業も沢山ありますが、
「自社はまだまだそのレベルではない」などなど、
取り組みたいけど取り組めていない現状をよくお聞きします。
そこで、「中小・ベンチャー企業でも、ここまで出来る管理会計」を
今までの経験を含め、述べさせていただきます。
1.PL:予実績比較表(部門別等利益測定単位で作成。間接費配賦も行う)
実績見込み表(期初~当月:月次決算数値、次月から直近2,3か月:営業ヨミ等を使用した
見込み数値、以降月:期初予算もしくは期初予算×予測比率)、科目明細表
2.BS:財務分析用貸借対照表
(消費税の仮受・仮払相殺、長期債権債務残高をワンイヤールールにより「流動」「固定」
へ分類)
3.キャッシュフロー計算表(期間における現預金の流れ分析)
1.経営判断者(部門責任者等の幹部含む)に、いかに理解して頂き、そこから先の戦略戦
術策定に寄与するかが最も重要!
2.月次決算作業を行う会計ソフトから出力される帳簿データ・詳細データを用いてEXCEL等
で作成する事
月次決算期間中に2回。
1.仮締め後(月次決算の精度確認)
2.本締め後
この中で、PL予実績比較表と科目明細表は1991年(世にWindowsが出現する以前)に、私が社会人デビューした造船会社において、実働7日目に月次決算を締めると翌8日目の朝一番でコンピュータ室で出力されていました。
10年後中小企業に転職した時、市販されている会計ソフトではPL予実績比較表と科目明細表は出力されず、経営陣に提出される資料の中心が試算表しかない現実を目の当たりにしました。
単に記帳して帳簿を出して、試算表を経営陣に提出する事だけが経理財務部門の価値でしょうか?
特に中小・ベンチャー企業において本稿で述べた「ガラス張り」の精度を経理財務部門の価値とするならば、EXCEL等を駆使することにより【会社として正しいとする経理数値】を、経理を専門としない方々にも分かりやすく明示する資料を作成することが、本来、経理財務部門の重要なタスクであると考えます。これが、「経理財務=経営管理」の所以ですね。
経理財務の世界、もしくは各社の社内において「決算を締める」という言葉を使っていると思います。
では、この言葉を、経理を専門としない部門の方にもわかりやすく説明するにはどのような内容が適切でしょうか?
そもそも決算とは月次であれ、半期であれ、年次であれ、一定期間内の「会社の行為」という意味の経済取引すべてを数値化することです。
言い換えれば真っ白な【帳簿】というフィールドに、「事実」という数値を配置していく作業であります。
よって、「決算を締める」とは「事実」という数値の配置作業を終え、数字を確定し、「締めた!」という宣言以降は動かさないことでもあります。
ここまで言ってしまうと話が終わってしまいますので、少し視点を変えましょう。
よく中間・年次決算の近くになってくると会社全体が「大変な時期がやってくる!」という雰囲気になります。まあ、大変は大変なのですが(笑)。
ただ、経理財務の実務畑的に言えば、中間・年次決算は月次決算の延長線上にあるものです。
あくまでも日々の仕訳が基本であり、毎月の月次決算ごとに正しい債権債務残高を検証、確定したうえで貸借対照表・損益計算書を作成していれば、力を入れすぎるほど身構える必要はありません。
とは言え、なぜ中間・年次決算が特別視されるのかと言う理由の一つに「中間・年次の時にしか実数値を集計できない分野がある」と言えます。
例えば...
1使用単位あたりの取得価額が10万円以上となる資産の集計、減価償却費計上。実在確認の必要性があります。
次期賞与支給予定額を決定し、費用計上を行います。当期決算着地見込や次期資金繰り予定を見極めたうえで支給予定額の総枠を経営判断する必要があります。
売掛金・立替金・貸付金等の債権残高に対し、回収不能予測額を合理的に計算し費用計上します。二つの要素(1.回収不能の可能性が高い個別債権残高額(100%もしくは決定割合)2.それ以外の一般債権残高に過去の貸し倒れ実績率を掛け合わせた数値)から算定します。
在庫管理上の「仕入れ・払い出し・在庫」についての数量を計算し、それに対して期末日時点における棚卸し作業により集計した実在数量を引き当てる必要がある。この時理論数量と実際数量の差異分析を行い会計処理を検討する。なお、数量にかけ合わせる商品(材料)単価は会社判断の計算方法(例:総平均法、先入れ先出し法、等)による。
例えば契約期間2年の保険料を当期に支払った場合、全額を当期費用計上してはならず、来期以降に係る金額はBS科目の前払費用に繰り延べ計上する、等々があります。
内部牽制等の理由から、基本的にはそれぞれの数値精査から決定におけるプロセスは、総務・人事・営業・仕入担当・資材、等経理部門以外のセクションが担当しますが、会社規模等の理由によりその仕組みがない場合は経理財務部門が「数値精査から決定」プロセスを代行し運用管理する必要があります。
この他、BS科目期末日残高についての社外発行による「証明書」入手作業もあります。
銀行預金が代表的なところであり、上場準備以上ステータスの会社は売掛金・買掛金・未払金について相手先への「残高照会」が加わります。
以上申し上げた「中間・年次特有の実数値集計作業」は得てして、その都度取り巻く状況が変わるので
ある意味で「いかにアクシデントを楽しむか?」がポイントになります(苦笑)。
例えば・・・
賞与引当計上月数の判断が変わる、
在庫の実棚数が理論数値と全然合わない、でも各作業締め時間は迫ってきている...等々色々あるわけです。
このあたりが「決算を締める」ことの最難関でありますが、経理マンにとっては必要な経験値であると考えます。
前回では「決算を締める」ことの意味や特殊手続きについてご説明致しました。
今回は「決算を締める」にあたり、経営側の判断として「決算数値の落としどころ」をどのように決めるものなにかについて考察します。
まず、最初にお断りしたいのが「決算数値の落としどころを決める」という表現は決して【決算数値を操作して作る】【1年間の経済取引の事実ではない数値に落ち着かせる】ということではない、という事です。いわゆる架空計上等の行為を行うという意味ではありません。
このことを前提に、以下話をさせて頂きます。
よく決算が近づいたり、決算作業が佳境を迎えると経営陣や経理財務部長が決算の行方に一喜一憂しますが、この方たちは何を気にするから一喜一憂するのでしょうか?
私の経験上で申し上げられるのは「株主・金融機関・納税額による資金繰り見通し」と言ったところでしょうか。
ざっくり言うと
利益配当(場合によっては無配ということだってある)のための説明責任
借入時に説明した事業計画(予算)に対する決算数値との差異に関する説明責任
もしくはこれから希望する新規資金調達においていかに業績成長度をアピール
できる決算数値となるのか。
法人事業税(国税・地方税)決定額によるキャッシュフローの影響
→可能な限りの節税対策はできているのか?(※注)「脱税」ではありません。
このあたりをシュミレーションしておかなければなりません。
つまり自社はもちろんの事、自他に対し根拠等の説明ができる状況を作ることが大事です。
ちなみにこの3点は企業規模を問わず最重要事項となります。
これが大企業になると、プラス「労働組合」ともなります。
私の【明治から続く】造船会社時代の経験上ですが(笑)
ただ上記3点を念頭に置き何度も決算シュミレーションを繰り返し、関係各所に対する説明責任に目処を付け、決算締めの判断を行う事は非常に神経を使うタスクではありますが、経営管理を司る部門としては「宿命」とも言えます。
経理マンにとっては『成長するために経験しなければいけない厳しい場面』という言い方もオーバーではありません。
今回は第2回「経理の日常業務はどういう仕事?」の中でご紹介した「資金繰り管理」について詳細を述べます。
私の経験上、ひと言で「資金繰り管理」と言っても概ね
直近3か月間の日繰り表・入出金予定表の作成および運用管理
期初からの業績や現時点から先の経営(商売)戦略を前提とした月次ごとの「簡易版キャッシュフロー計算書」の作成および運用管理
この二つに分類されます。
それぞれポイントを申しあげます。
確定している債権・債務データ及び経営陣や営業の最新見込み情報をいち早く
日別のキャッシュ情報として開示することにより、「短期的資金の安全度・
危険度」を明確にし、経営判断のバックボーンとする。
直近3か月の日別「入金・出金・残高」を把握。入金・出金は下記(2)(3)データからの直接リンクがベスト。理由は別表から手入力による転記形式にするとミスを誘発する恐れがあること。
また、入金予定のうち、経営陣や営業からの情報として「入金遅れ」になりそうな危険情報がある場合、そのことも加味し、残高予測を【堅く】行うと不測の事態にも慌てずに済む。
請求書発行済み売掛金や立替金についての入金予定を明確に把握。
この時、本来の入金予定日を過ぎている未入金、いわゆる「滞留債権」については滞留日数も把握しておく必要がある。
請求書到着済み及び約定払い事項の買掛金や未払金・前払金についての支払い予定を明確に把握。
この時「年月日別」だけではなく「支払方法別」にも把握しておくと後々資金繰りを行うときに有効。
今までの(今からの)経営方針で行った場合
・キャッシュは回るのか?
・資金調達はどのタイミングにどの程度の規模で必要なのか?
・あらゆる投資は可能か?等
「長期的資金の安全度・危険度」を明確にし、経営判断のバックボーンとする。
イメージとしては
【横軸】年月
【縦軸】営業キャッシュ・投資キャッシュ・財務キャッシュ・その他キャッシュ
の計算表となり、月次単位のデータを向こう1年間にわたり算出。
作成当初は財務キャッシュ内の収入、すなわち「資金調達額」を0として計算すると真のキャッシュ状態が明確になり、そこから必要な資金調達額が算出される。基本データは以下(2)~(5)となります。
例えば4月~翌年3月が決算期の会社において、
現時点が7月月次決算終了した8月上旬とした場合、
1. 4月~7月:月次決算数値
2. 8月~9月(10月):
売上・原価は営業部門等の報告による「ヨミ数値」。
経営判断により取り込む数値のランクは変わる。
販管費のうち、毎月定例的に発生する費用ではなく、イベントや個別判断によって発生する費用は直近の「使うか使わないのか」判断により必要に応じ数値を織り込む。
3. 10月(11月)~翌年3月:
期初予算を採用。ただし、9月までの業績「実績見込み」状況を鑑みて、経営判断により期初予算の90%や80%などある割合を掛け合わせた数値で【堅く】見る場合もある。
※このPL実績見込みデータを「入出金サイト」に沿って入金・出金データに換算する
特に物販や小売業の場合、仕入金額や在庫変動額がキャッシュの動きへの影響が大きいため、PL実績見込みデータのうち売上原価部分にとって代わって採用する。
1使用単位当たり10万円以上の備品類はPL計上されない為、PL実績見込みデータとは別に設備投資計画を作成し「投資キャッシュ」データとする。
以下データを「財務キャッシュ」として採用。
1. 借入金返済予定
2. 借入金新規調達については仮説返済条件で返済予定を算出
3. 社債償還予定
ポイントはざっくりとこのようなイメージです。
企業の業態や、ストロングポイント・ウィークポイントにより作り込んでいくデータの詳細や肝になる部分は多少変わる部分もありますが、資金繰り管理においては押さえるべきポイントはおおよそ共通していると言えます。
今回のお話は、企業によっては管理部長や経理財務部長がタスクとするレベルかもしれませんが、これをお読みになる経理担当者の方が「より高いレベル」に足を踏み入れるために知っておきたいロジックとしてお読みください。
前回、短期及び長期資金繰り管理の目的やポイントについて述べました。
今回は、次のステップとして「キャッシュのコントロールを上手くやるにはどうすれば良い?」です。
経理部門の悩みとして例えば、
「営業が勝手にルール外の入金条件を決めてくる」
「取引担当部門が所定サイトよりも早く支払日を先方に約束してしまった」
という事が多かれ少なかれあります。
ただ、理論通りのキャッシュ残高をキープしてなければ
経営陣から責められるのは経理財務部門になるわけです。
ではどうすればいいのか?
キーワードは「お金の使い方、入金の仕方に、【規律を取り込む】」です。
最初にポイントを述べます。
(1)入金も出金も「サイト」が命!
(2)「入金は早く、支払いは遅く」が良い。
(3)現状の入金&支払いサイトはどうなっている?
(4)取引開始時に「基本契約書」って結んでいますか?
(5)サイト変更時に行うべき手続きとは?
(6)社内各部門への「サイト条件」共有及び日常のチェック体制を徹底せよ!
となります。では個別に解説いたします。
ご存知だとは思いますが、サイトとは毎月の費用収益計上締め日(概ね月末日)から入出金日までの日数の事を指します。
ちなみに私の経験上
1. 前受(前払)→家賃など
2. 0日(当月計上当月払い・入金)
3. 30日(当月計上当月払い・入金)
4. 60日0日(当月計上当月払い・入金
という分類をしています。
会社運営を行う上での正直な願望です。ただ、これが本当に大事です。あくまでも商習慣における世間常識の範囲内になりますが。
各企業において実際の運用はどのようにされているのか、債権・債務各勘定の相手先別費用計上と取崩し(入出金)の間隔を調べれば実態がわかります。
ルール作りに入る前にもう一点だけ会社としての基本事項を申しますと、取引先との「基本契約書」を整備することが必須となります。この中で入出金条件、いわゆるサイトを決め込んでいくのです。
まだ締結していない場合、二社間の事情の許す限り、なるべく早めに基本契約書を締結することが重要です。
上記(3)にて把握した現状のサイトに対し、改善案を立案します。
例えば
・入金:(現状)60日サイト→(改善後)30日サイト
・出金:(現状)30日サイト→(改善後)60日サイト
この改善案を実行するためには「取引先個別お願い交渉」が基本となり、交渉において承諾を得られれば覚書等の正式文書発行と言う段取りになります。
相手先との新条件が決まり、次に取り掛かるのは社内へのルール徹底です。
そのためには取引担当者が「ノリ」「流されて」勝手に決めないようにする仕組みつくりが必要です。
・社内文書、各種会議での口頭説明
・新規取引開始時の社内稟議を義務化し、全ての契約内容を社内にオープンにする。
※この時、「調査部門」として経理財務部門も稟議書と契約内容をチェックし、
入出金条件に関してコメントを出すことが効果的です。
・得意先への請求書発行時や支払伝票について経理財務部門のチェックを厳重に
行う等の仕組化
以上が一連の流れです。いわゆる「規律を仕組化する」ことになります。
個々のタスクは、それぞれヘビーな作業となり精神的タフさが求められますね。
今回のお話も、経理担当者の方にとっては、少しレベルが高い、しかしステップアップするために乗り越えていきたい壁のお話です!
いきなりですが、よく経理マンが月次や年次決算の時に「数字を合わせる」という言葉を使いますが、これは具体的にどういう事で、全てが経理財務部門の責任管轄において行われるべきことなのでしょうか?
まず、会社の数値を
a.経理財務部門が仕訳作業を起点にして作成する『会計数値』
(元帳、試算表、財務諸表)
b.仕訳作業に使う『基幹数値』
に2分します。
ネタばらしをしてしまうと 「数字を合わせる」というのは、上記2点を照合し一致性を証明する事です。言い換えると「経理財務部門が作成する会社数値(a)の実在性を、基幹数値(b)を用いて証明する」ということです。
ではここで言う「基幹数値」とはどういう内容のもので、本来会社の中のどのセクション(担当者)に管理責任があるものなのでしょうか。
現在多くの中小・ベンチャー企業で行われている体制ではなく、
良くも悪くも日本で“一般レベル”と語られる上場企業に求められるモデルで申し上げると
→営業部門(webや映像などのコンテンツ制作などは制作部門も加わる)
業種によって範囲の差はありますが、おおよそのベースはこのようなラインナップ及び管轄担当になります。
ただ、これを中小・ベンチャー企業にあてはめようとすると、
等により
上記の中で、経理財務部門がオペレーションせざるを得ない状況も起こり得ますので、同部門が管理管轄すべきフィールドにもなってきますね。
上記の「基幹数値」に関連して、
「基幹情報の構築は難しい?」ということを、よくご質問いただきます。
「ERP等のシステム構築をしないとできないんじゃないか?」と聞かれるのですが、
確かに本格的にやるとなると、それなり以上のコストが掛かり企業にとっては一大事となります。
しかしながら、大規模にならない限りはEXCEL(場合によってはACCESS)で作成できるのです。
このときの重要ポイントとしては
業務フローに沿ったデータ入力要綱になるのが望ましい。
となります。ご参考までに。
少しイメージが難しいかもしれませんが、勉強して頂いてぜひご自分の武器にしてください。
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Takahama dai
1991年1月経理デビュー。
以来10年間、明治より続く大手造船会社(上場・4500名)にて経理の基礎・組織論習得。以降中小輸入家具会社(120名)にてIPO準備を経験し、ブライダルプロデュース会社(250名)・映像制作会社(30名)、その他中小零細企 業において経営管理部長として「経営に直結し、かつ"見える化"を目的とする経理財務部門の仕組み構築」を経験し、2009年11月【経理部長代行サービス】株式会社ダイリアルを設立。
最大の強みは「豊富な現場経験をバックボーンとした、あらゆる規模&経営志向に対応できる経営管理部門の見える化及び【儲ける仕組み】の構築。

